LOVEFATE~理由~
「あ、私が払います」
「いや、俺が誘ったから」
倉木さんは、
サッと席から立ち上がる
結局、私も倉木さんも、
目の前のコーヒーには一切口を付けず
「――本当に、俊太がそんな事したの?」
「え?」
私はまだ席に座ったまま、
倉木さんを見上げた
「俊太が、英梨ちゃんを流産させるとか、
そんな酷い事するとは思えなくて」
私が何も言えず黙っていると、
倉木さんは、ごめん、と言って先に喫茶店から出て行った
倉木さんは、私の沈黙をどう捉えてごめんと言ったのかは分からない
もう一度俊ちゃんに会えるのならば、
3年前の事をちゃんと訊かないと
あの時俊ちゃんじゃなくて、
亮ちゃんが強く私のお腹を蹴ったのかどうか
俊ちゃんの口から、
真実が知りたい