LOVEFATE~理由~
「あ、篤君、ちょっと待って」



「待てないっすよ」



篤君はそう言って、
その顔を私に近付けて来る



あ、キスされる――



そう思って、強く目を瞑ってしまう




「篤君、やっぱり嫌!!」


そう言うと同時に、

私は篤君のキスを避けるように顔を横に逸らしていた



篤君の唇が、私の頬から1センチ離れた場所にある




「――良かった。
ギリギリっすよ」



篤君は私から体を離し、

ベッドから降りるとソファーに腰を下ろした




私は起き上がれずベッドで寝転んだまま



何故か、泣いていた






仕事で今まで何人ものAV男優さんと、

こんな事して来たのに



仕事じゃなくて、
プライベートなだけでこんなにも違う



怖いと感じたのもそうだけど、

また俊ちゃんを裏切るみたいで出来なかった



仕事でこんな事散々してるし、

今、私は俊ちゃんと付き合っているわけじゃないのに




けど、俊ちゃんじゃない人と、出来ない




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