LOVEFATE~理由~

「篤君、煙草吸うから、無理だよ」


そう言うと、篤君はクスクスと笑っていた




多分、私が断った理由が、
それじゃない事を彼は分かっていると思う





「俺、煙草はまりえさんに辞めろって言われても、
辞められないっすからね」




再び、篤君はベッドに戻って来た



ベッドが沈み、

背に篤君の気配を感じ、微かに煙草の匂いがした





「時間迄、泣いてていいから」


そう言って、私の髪を撫でてくれた




「――年下のくせに」


さらに、ボロボロと涙が溢れた





「その好きな奴と、

もう一回なんとかならないんすか?」



「ならないよ…。
けど、少し揺れてる…」



亮ちゃんから真実を聞き、

何かきっかけがあれば俊ちゃんとまたもしかしたらって、
心の底で思っている




二度と、私は俊ちゃんと付き合えないだろうと思っているけど



最近、それが“絶対”ではなくて




もし、私がやり直そうと言えば、

俊ちゃんは私を受け入れてくれると思うから



だから、もし私が――







< 609 / 728 >

この作品をシェア

pagetop