LOVEFATE~理由~
「英梨、心配したのよ。
帰って来て良かった」
涙を貯めて、私を見ている蘭子ちゃん
「心配掛けてごめんね。
だけど、帰って来たわけじゃないの。
また出て行くから」
「英梨?なんで?
それは、俊太に会いたくないから?」
蘭子ちゃんの口から俊ちゃんの名前が出て
名前を聞いただけで、
胸が痛い
私のお腹を蹴り流産させた俊ちゃんを許せないのに、
好きで仕方ないから
「私、AV女優になったの。
だから、お金も沢山稼げるし、
この家出て楽しく暮らすんだ」
出来るだけ、明るくそう言った
当然、蘭子ちゃんはそんな私とは相反するように、
その表情は暗くなる
「AV女優って、嘘でしょ?」
「本当だよ」
「何考えてんのよ!
英梨、もう一回受験して大学に行きなさいよ!
専門学校でもいいから。
だから、そんな仕事辞めてよ」
蘭子ちゃんはそう言って、
私の両肩を強く掴む
今迄、蘭子ちゃんは本当に大好きなお姉ちゃんだったのに
今の私は心が荒んでいるからか
そうやって蘭子ちゃんのキーキー声を聞いてると、
苛々としてしまう
ずっと我慢していた何かが、
切れてしまうように