LOVEFATE~理由~

家から出ると、

すぐ目の前に俊ちゃんが立っていた――…




「――英梨の声が聞こえたような気がして。

気のせいかと思ったけど、
気のせいじゃなかった」



今は夜で静かだからか



先程のリビングでの私の声は、
向かいの家に住む俊ちゃんの耳に届くくらい響いていたのかもしれない





「英梨、今家出してんだろ?」




「え、なんで知ってるの」


だって、今、我が家の人間は、
向かいの家とは絶縁状態



顔を合わせたら、挨拶くらいはするかもしれないけど


けど、そんな事迄話したりするとは、
思えない




私が家出してからの僅かな間に、
両家の関係に何か変化があったとも思えない





「蘭子から聞いた。
もしかしたら、俺の所に英梨から連絡ないか?って。

俺の所なんか、もっと有るわけないのに」




蘭子ちゃん――…




先程、私は蘭子ちゃんに酷い事を言ってしまった




そうやって、私をずっと心配してくれていたのに





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