LOVEFATE~理由~
「――後、ちゃんと毎日3食ご飯食べて。
夜も、ちゃんと寝て」
俊ちゃんを前に見たのは、
あの蘭子ちゃんに責められている姿を部屋の窓から見た時
あの時も思ったけど、
俊ちゃんは痩せた
そして、今はさらに痩せて、
あまり眠っていないのか、目の下に濃いくまが出来ている
ほっておいたら、
俊ちゃんはこのまま死んじゃうんじゃないかって思ってしまう
「後、ちゃんと大学に行って、
卒業して。
就職だってして…。
毎日、楽しく過ごして欲しい」
楽しそうに笑ってる俊ちゃんの顔が、
私は好きだから
俊ちゃんは、私がそんな事を言うとは思わなかったのか、
何も言えずこちらを見ている
俊ちゃんの顔を、
目に焼き付ける
もしかしたら、もう会えないかもしれないから
「俊ちゃん、バイバイ」
そう言って踵を返し、
駅の方へと歩いて行く
途中何度も振り返りたくて、
それに堪えるように早く歩いた
曲がり角を曲がった瞬間
しゃがみ込み、顔を手で覆い泣いた
泣くと声が出て、それが夜だから響いていた