LOVEFATE~理由~
「英梨、今日は電車で帰るの?
駅迄送るけど」
俊ちゃんはこれ以上私を困らせないように、
明るく笑って話題を変えた
「――ううん。
乗り換えとか面倒だから、
タクシーで帰る」
「じゃあ、そこ迄送る」
「俊ちゃんは?」
「俺は実家に泊まる。
実家から、明日福岡に行く。
荷物とか、もう殆ど向こうに運んでるから」
「そう」
手に握りしめたままの缶コーヒーは、
すっかりと冷たくなってしまった
その冷たくなったコーヒーを再び口を付け飲むが、
とても甘く感じた