LOVEFATE~理由~
◇
「俊ちゃん、明日福岡気を付けて行って来て」
「あ、うん」
俊ちゃんは公園出てすぐの、
大きな道路迄私を送ってくれた
もう少し一緒に居たかったけど、
すぐにタクシーが捕まって停車した
「英梨、今の携帯番号とか訊いたら、駄目か?」
「え…」
どうしよう……
もし教えたら、
もう俊ちゃんに対する好きの気持ちが止められなくなる
「――ごめん。変な事言って」
俊ちゃんはそう言って、
じゃあ、とタクシーから離れるように後ろに下がった
タクシーに乗り込み、
ドアが閉まる直前
「今日、昔の携帯をお母さんに返して貰ったから。
それまだ使えるし。
それに、今のも蘭子ちゃんから聞いて」
そう言ったけど、道路の喧騒が煩くて、
俊ちゃんにはちゃんと伝わらなかったかもしれない
タクシーはドアが閉まり、
そんな私達を引き離すように走り出した