LOVEFATE~理由~



「俊ちゃん、明日福岡気を付けて行って来て」



「あ、うん」



俊ちゃんは公園出てすぐの、
大きな道路迄私を送ってくれた



もう少し一緒に居たかったけど、

すぐにタクシーが捕まって停車した





「英梨、今の携帯番号とか訊いたら、駄目か?」



「え…」



どうしよう……



もし教えたら、

もう俊ちゃんに対する好きの気持ちが止められなくなる





「――ごめん。変な事言って」



俊ちゃんはそう言って、
じゃあ、とタクシーから離れるように後ろに下がった




タクシーに乗り込み、
ドアが閉まる直前



「今日、昔の携帯をお母さんに返して貰ったから。

それまだ使えるし。
それに、今のも蘭子ちゃんから聞いて」


そう言ったけど、道路の喧騒が煩くて、

俊ちゃんにはちゃんと伝わらなかったかもしれない



タクシーはドアが閉まり、

そんな私達を引き離すように走り出した




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