LOVEFATE~理由~
「お願いします」
女子高生役の私は、周りのスタッフの人達にそう声を掛けると、
その部屋の絨毯の上に置かれた丸い小さなテーブル近くに腰を下ろす
カメラが回り、相手役のAV男優さんが家庭教師の役として、
そんな私の部屋を訪れて来る
その家庭教師役のAV男優さんを、
部屋に招き入れた
その丸いテーブルで勉強を教わりながら
段々と、絡んで行く――…
「――まりえちゃん」
今朝貰った台本に書いていた通り、
そのAV男優の山本ヤマトさんは私を抱き寄せ
私に、キスをしようとするが
「――あ…」
私はその山本ヤマトさんのキスを避けるように、
手で山本ヤマトさんの顔を押していた
「カット!カメラ止めて!」
監督のカットがかかり、
一旦、撮影は中断された
AV監督の杉原さんが私達の方に歩いて来る
杉原監督は優しいおじさんって感じの監督なので、
今もそんな私のNGに怒ってはいないが
ちょっと不信そうに私を見ている