LOVEFATE~理由~
「まりえちゃん、ちゃんと台本読んだ?
今日はレイプものじゃないんだよ。
だから、まりえちゃんからもぐいぐい行かないと」
杉原監督の声が、
真っ白になっている頭に響いているが、
全然、言われている事が頭で理解出来ない
「――ごめんなさい。
大丈夫です」
その声が、震えている
頭の中に、夕べ見た俊ちゃんの顔が浮かび
夕べ俊ちゃんに触られた頬の感触が、今も色濃く感じる
俊ちゃん以外の男性に、
もう触られたくない
俊ちゃんじゃないと、嫌
一体、私どうしたんだろう……
今まで、きたまりえとして、
全然、こんな事平気だったのに