LOVEFATE~理由~

「杉原監督、まりえちょっと貧血かもしれないので。

30分程、休ませてくれませんか?」


成瀬社長もこちらに歩いて来ると、

私の両肩を背後から掴み立ち上がらせる



私はなんとか立ち上がるが、

本当に貧血になったように、ふらふらとする





「分かった。
まりえちゃん、休ませてあげて。

山本君、悪いけどちょっと休憩挟むね」



「いえいえ。

監督、僕は大丈夫なんで。
まりえちゃんに合わせますよ」




杉原監督も山本ヤマトさんも、
私にそうやって気遣ってくれる



それを悪いと思うのに、
少し休めば大丈夫ですよ、って言葉が出て来ない




ごめんなさい、と小さく呟いて、

成瀬社長に連れられ楽屋に使っている部屋に向かった



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