LOVEFATE~理由~


パシンッ――…





「――離して」


思わず俊ちゃんの頬を平手で叩いてしまった




俊ちゃんは私に叩かれた左頬を手で抑え、

こちらを見ている



その目が受け入れられない思いと哀しみに満ちていて、

私はその目から目を逸らしてしまう




こんな風に、

俊ちゃんを拒んだのは初めてかもしれない




「――ごめんなさい。
叩くつもりは無かったの」




ただ、そのキスから逃れたかった



じゃないと、私はこのまま俊ちゃんに溺れてしまいそうだった




あれほど、俊ちゃんが許せなくてもうこの人の側には居ないと誓っているのに、

離れられなくなりそうで恐かった




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