LOVEFATE~理由~

0時を過ぎた頃には、

篤君はそのまま寝転んで眠ってしまった



私は眠る篤君に、
掛け布団を掛けて部屋を出る





「――私、お酒強いから、酔えないんだよな」



廊下の壁に凭れ、
酒で火照った体を冷やす



成瀬社長に殴られ腫れた頬を壁に付けると、

ひんやり、として気持ち良かった





「――幸せになるはずなのに、

なんでこんなに悲しいんだろ」



明日には、もう私は此処を出て行く



悲しくて、涙が止まらない



私の押し殺した泣き声が、
廊下に響いた






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