LOVEFATE~理由~


「あ、鍵どうしよっか?」


部屋の鍵を掛けてから、そう思った


もう2度と、私はこの鍵を使わないから




篤君が居れば篤君に渡すのだが、

篤君はもう仕事に行ってるし




私は暫く考え、
1階のエントランスに降り、

成瀬社長の部屋番号の書いたポストに、
その鍵を落とした



特にメモも付けたりしてないが、
それが私の部屋の鍵だと分かるだろう




社長は私の部屋の合鍵を持っているから、

この鍵を返さなくても特に困る事はないのだろうけど



鍵があったら私、
またここに戻って来たくなっちゃうかもしれないから




私は鞄からスマホを取り出し、
電源を切った



もう2度とこのスマホの電源は付けず、
このまま解約する





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