LOVEFATE~理由~
駅から実家迄の道の景色は、
3年前と本当に変わっていない
前回、母親の誕生日の時は、
行きも帰りもタクシーだったから、
こうやって見る事も無かった
もうすぐ家だ、と
曲がり角を曲がる
私の家と、俊ちゃんの家を挟む道路の真ん中
俊ちゃんが立っているのが、
目に飛び込んで来た
私は、自然と歩くのが速くなる
「英梨、おかえり」
笑顔でそう告げる俊ちゃんに耐えきれなくて走り、
そのまま抱き着いた
手に持っていた荷物の入ったエコバッグや鞄が、
地面に吹っ飛ぶように落ちた