LOVEFATE~理由~
飲みたい夜
姉の結婚式の日の、
その夜
私は自分の住むマンションの部屋の、
隣の部屋のドアを叩いていた
ドンドンドンッ――
「――うわぁ、まりえさんどうしたんすか?」
ガチャッと開いたドアから顔を出したのは、
篤君
ただならない私の様子を見て、
少し戸惑っている
「ちょっと、飲まない?」
私は手にしているビニール袋を見せるように、
掲げた
中には、缶ビールや缶酎ハイが大量に入っている
部屋に戻れば、
まだまだある
「って、まりえさん、
既にけっこう飲んでないっすか?
目がヤバ――」
そんな篤君の頭を、
べしっと叩いた
「ごちゃごちゃ言ってないで、
いいから中に入れてよ」
篤君を押し退け、
部屋の中へと強引に入る