色の雫 - The seven colors -
雄也はちょっと離れた場所にある鉄パイプを取りに行こうとした。が、《犬》が2人に飛びかかってきた。しかしありさが雄也の腕を離したため、2人は無傷だった。むしろ《犬》が商品棚に突っ込み、すこしダメージを受けたようだ。
 
「よしっ!!この隙に!!」
 
鉄パイプを取ろうとしたが、《犬》との距離は雄也の方が近かったため、《犬》は雄也の方を狙っていた。
 
「雄也ぁーっ!!逃げてーっ!!」
 
「クッソー!!」
 
雄也は鉄パイプを取った。と同時に《犬》が飛び掛かってきた。
 
「……食らえッ!!」
 
鉄パイプをぎゅっと掴み、飛び掛かってきた《犬》を思い切り殴りつけた。
 
バシッ
 
「よし!!」
 
クリーンヒット。《犬》はまたも商品棚に突っ込んだ。今回の商品棚はガラス製だったので、とても大きな音を立てた。辺り一面にはガラスが飛び散った。《犬》にはガラスが刺さったみたいだ。
 
「グゥゥ……」
 
《犬》は鉄パイプで殴られた怒りか、それともガラスが刺さったことに対する怒りからか、先よりも殺気だっている。そして雄也目がけて、また飛び掛かってきた。否、飛び掛かろうとした。だが次の瞬間、
 
『Дверь к отверстию и странному размеру(開け、異次元への扉よ)』
 
「な、何だぁ!?」
 
今まで何もなかったはずの雄也と《犬》との間にとてつもなく大きい穴が開いた。そして雄也と《犬》はその穴に吸い込まれた。
 
「うわぁぁぁーーーッッ!!!!」
 
「雄也ぁぁぁっ!!!!」
 
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