色の雫 - The seven colors -
「……い、いいんですか?」

「いいんじゃよ、ワシはもう引退じゃからの……」

そう言って老人は少し寂しそうな表情をした。

「とりあえず、明日に備えてもう寝るかの。」

そう言って老人は岩から(またも年不相応な早さで)飛び降り、そのまま地面に寝転がった。ヴォルトも上体を倒した。

「あ、はい……最後にひとつ聞いていいですか?」

「なんじゃ?」

「おじいさん、今、年幾つ?」

「……老人に年を聞くもんじゃないじゃよ。」

老人は笑いながら言った。そのまま2人は深い眠りに落ちた。

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