色の雫 - The seven colors -
ヴォルトは《橙》が見えなくなる前に老人にかけよった。

「おじいさん!!大丈夫ですか!?」

ヴォルトは老人を抱えようとした。しかし老人はヴォルトの手を払った。

「何故手を払うのです!?早く病院に……!!」

「いや、いい。」

「で、でも……」

「いいと言っておるんじゃ!!」

あの穏やかであった老人が初めて怒った。ヴォルトに対して怒ったのだ。

「確かに……ヤツの言うとおり……ワシはもうリタイヤする時期、いやそれはとても昔にするべきだったのかもしれんな……」

「お、おじいさん……」

「いいか、ヴォルト……いや青の勇者よ……早く、早く山の内部に行くんだ。“色の雫”が危ない……」

「……は、はい!!おじいさん、どうかご無事で……!!」

そう言ってヴォルトはおじいさんに別れを告げ、山の内部に向かって走っていった。

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