色の雫 - The seven colors -
早く“色の雫”を手に入れないと……
ヴォルトは急ぎ足になりながらも内部を探索していった。おじいさんはおそらく助からないことは確信していた。だがそう簡単に諦めきれるわけでもない。急いでおじいさんのもとへと行かなければ。しかし、“色の雫”を手に入れないといけないことも教わったので、先に“色の雫”を見つけて一刻も早くおじいさんのもとへと向かおう。そう考えていたのだ。
広間のような場所についた。その広間は周りにマグマが煮えたぎっていた。真ん中に大きな穴があいていて、そこにもマグマがうなっていた。まるでドーナツのような形をした広間だった。よく見ると、真ん中の穴の前に誰か立っている。

「ん?」

その人物はヴォルトに気付いた。

「おっせーぞ、ヴォルト。」

「えっ?……君はなんで俺の名前を……?」 

ヴォルトは驚いた。
何故、彼は自分の名前を知っているのだろうか……。
ヴォルトはそう思いながらも、ゆっくりとその人へ近づいていく。

「あっ、君は、もしかして……!?」

分かる。この人は分かる。もとの世界で親友だったあの人だ。なのになぜ……名前が出てこないんだ……。

「おっ!お前もやっぱ分かるんだ、俺の事!」

「いや……もとの世界で仲良しだったのはスゴく覚えてるんだけど……名前がどうしても……思い出せない……」

「やっぱりなぁ……実は、俺もヴォルトの事をジェントって人から聞いたんだけども……そのときもとの世界のアイツだ!って思い出せたんだけどな……名前がなんだったか……」

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