色の雫 - The seven colors -
「ジェント!?君もジェントさんに会ったんだ!?」

「おぅ、そうだぜ。んで、ヴォルトのことと……魔法かけてもらったんだ。ヒルムガードっての。」

ヴォルトはまた驚いた。この人には魔法がかかっているんだ、と。しかもあのヒルムガードだなんて。

「ヒルムガードって……俺が今着てるこの上着にかかっているんだ。ジェントさんに会ったときには教えてもらえなかったよ?」

「あぁ、多分この魔法を直接かけても、お前には効果が無いからかけてくれなかったんだと思うぜ?」

「俺には効果が無いって…………どういう事?」

「ん―と……要するに1人1人得意とする魔法の系統があるってとこじゃねぇの?……例えば、俺はヒルムガードみたいな、火とか炎に関係した魔法が効果を発するとかそういうの。」

「へぇ―……なるほど、納得したよ。」

「まっ、俺もよく分かんないだケドね。」

そうして2人一緒に笑った。こうしていると、もとの世界のことを思い出せそうなのだが、しかしそう上手いわけにもいかない。全然思い出せない。
もとの世界のことは諦めるか……
ヴォルトがそう思ったときであった。

「俺の名前はアッシュ。パレットナンバー2、赤の勇者アッシュだ!!」

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