色の雫 - The seven colors -
 
―帰り道―
 
雄也は帰宅途中に事件のあったスーパーマーケットへと向かった。所謂、寄り道というものである。
 
「近くなってきたな……さすがに少し緊張してきたなぁ……」
 
商店街を歩く雄也は周りにある様々なお店を見ながら歩いていた。するとパン屋の中から出てくる人に見覚えがあった。雄也の幼なじみ、ありさである。雄也はありさに声をかけようとパン屋のほうに近づいていった。
 
「よぉ、ありさ」
 
「あっ、雄也。どうしたの?帰り?」
 
「そうだよ。てか、ありさはエラいなぁ……いつも買い物とかして……俺なんか買い物なんかしたことないよ」
 
「エラいだなんて……私はこれが普通なの。雄也も買い物とかの手伝いくらいやらなきゃダメでしょ?」
 
ありさは少し照れながらも雄也に軽くアドバイスをした。
 
「へいへい、分かってますって……」
 
もちろん、雄也にそんな気さらさら無いのだが。その時、ありさが雄也に言った。
 

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