下駄箱を開ける時
重たい気持ちで教室に入った

「理子、遅かったね」

まぁ、確かに遅れ気味だろう


「トイレ行ってた」


「そっか」

笑顔で私に微笑む香苗

その笑顔にズキっと胸が痛んだ

先輩は香苗が好き

羨ましい・・・



先輩とは接点がないというわけではない


前に先輩が一週間学校を休んだ事がある

先輩は風紀委員長なのでいろいろ大変だ
しかも休んだためプリントやらを
だれかが先輩に渡さなくてはならない

だかその時風紀委員会は行事のため
みんな忙しかった

なので人手が足りないため私が手を挙げた

生徒に話しかけると怖がって話をしてくれないので
先生に相談し先輩に届けた

少しでも先輩との接点が欲しかった
でももし先輩が『斎藤』を『斉藤』と勘違いしたら
嫌だったので名前を失せた

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