刹那の笑顔
遼誠は暗くなった自分にはっと気付き、口調を明るくする。
「でも、辛くなったら
いつでも、相談しに来いな!
じゃあ、もう解散な!
悪りぃ…
帰りは…1人で帰って?
今は、一緒に帰れないや…。
門限を破ったのに、送ってあげられなくてごめん…。
全部俺のせいにして…。
マジで、ごめん…」
遼誠は最後の言葉を言い終えた時切ない顔をして、刹那から離れる。
遼誠の暖かい温もりが、ゆっくり刹那から消えた。
その時、刹那はとても寒く感じた。
冷たい風が刹那に突き刺さる。
刹那は心の中でつぶやいた。
ーーーーこれは、わたしの為。
遼誠の為。
苦しいのは、お互いの利益の為。
そして、遼誠は真っ暗な闇の中に消えていった。
その先を刹那は胸を強く痛めながら、
見つめていた。