刹那の笑顔
遼誠は走って走って、人通りのないところまでやってきた。
溢れ出てきそうな涙をこらえ、歯を食いしばる。
「当たり前だよな…
だって、俺がただ一方的に好きなだけだったんだし…。
姉ちゃんの言葉に自惚れすぎてたんだ…。
少しでも顔がいいからイケるとか…心の中で少し思ってたんだ…。
汚い…すげぇ、俺は汚い。
実際、俺は刹那のことなんかきっと少しも分かってなかったんだ。
なのに、あんなに調子乗って近寄って話しかけて…。
本当に俺って邪魔で目障りだよな…。
刹那の特別なんじゃないかって、大きな勘違いしてたんだ。
俺の親切は、大きなお世話だったんだな。
だっせぇな…俺。」
遼誠は頭を抱えてうずくまり激しく叫ぶ。
「あぁーーーー、くそっ!!!」
その時