刹那の笑顔
その言葉を聞いた瞬間、遼誠は息を呑む。
一瞬、刹那から身を引いたがそれ以降、刹那は何も言わずにただ苦しそうに息を吐いている。
そして、さっきの言葉は遼誠以外誰にも聞こえていなかった。
クラスが、ざわめく。
「え!?いいんちょーが!?」
「やった!授業潰れるー♪」
「何して遊ぶー?」
そんな奴らに対して、心の中で軽く舌打ちをしていると
「すまん。
泉山!
坂下を保健室に運んでくれないか?
俺は、坂下の両親に連絡しなければ、
ならないから。
頼む」
先生は想像以上に焦って教室を出て行く。
なぜか、この世の終わりかの様に…。
「はい」
遼誠は少し疑問を持ったがそれよりも刹那の方が心配だったので、すぐに姫抱っこすると、みのりが近づいてくる。
「みのりも一緒に行くぅーー!!
みのりも坂下さんのこと心配ー!!
大丈夫かなぁー?」