刹那の笑顔
「大丈夫かなぁ?
心配ぃ!!
みのり、坂下さんのこと…好きだもん!」
…好き?
「俺が刹那のことを好きだから…
刹那のことは嫌いなんじゃねぇの?」
普通そうだろう…。
相当の親友までいかない限り、誰だってその相手を嫉妬し、妬み、憎むだろう。
それなのに、好き?
「えっ…と…
す、好きだよ!!
だって…えっと…そう!
あのクールな感じが!」
予想外の返事に困ったのか、慌てて言い繕うみのり。
「クールな感じが…?
ふーん。
じゃあ、なんであの時水かけたんだよ?」
あんなに水を被せた頃、憎み合ってたのに…こんなにコロリと意見を変えて刹那のことを好きだなんて…普通おかしい。
「えっと…ね。
そ、その頃は…まだ、坂下さんのことがぁ、ムカついてたけどぉ!
後からそのクールな感じにぃ、惹かれちゃったぁ!」
「じゃあ、なんで屋上に入れた?」
「なんで…て?
だって、屋上は出入り自由でしょ?」
「何言ってんの?
屋上にはちゃんと鍵がかかってる。
その鍵を使わせてくれるのは…
教員
学年3位の人
学年2位の俺。
そして、学年1位の…
刹那だけだ」
そう、遼誠が普通に屋上にいられたのは成績優秀者の特権だからだ。
「そ、そうなの?!」
「なんで、屋上に入れた?」
「えっと…そのぉ…。
あ、そうだ!
坂下さんが開けた状態で落ちてたからだよぉ!」
「ふーん」
納得したような声に安心したような顔をするみのり。
あ、そうだ!って何だよ…?
明らかに犯人は私ですって言ってるようなもんじゃねぇか…。
デートの時と違う口調…鼻にかかるような口調…。
やっぱり、悪巧み?
いや、今回の事件は悪巧みどころじゃねぇ…!
人殺しだ…!!!
遼誠は怒りがすぐにやってきた。
真相がはっきりしないからこそ、さらにもどかしく、苛立つ。
「遼誠ぇ?」
首を傾げて笑顔で遼誠の顔を覗き込むみのり。
プチンッ
ダンッ
みのりを壁に追いやって、手を壁に押さえつける。
まだクラスに居た何人かは、驚いたように2人の様子を見つめる。
みのりはそのまま押さえつけられて、呆然と遼誠を見つめる。
そして、すぐにその状況を理解して顔を赤く染めながら恥ずかしがる。
「えっ……。
ダメだよぉ。遼誠ぇ。
今、坂下さんが危ないっていうのに…
こ、こんなことやっちゃ…
でも、私のこと好きになって…くれたのぉ?」
みのりはうっとりとした顔を上げ、目をつぶった。
心配ぃ!!
みのり、坂下さんのこと…好きだもん!」
…好き?
「俺が刹那のことを好きだから…
刹那のことは嫌いなんじゃねぇの?」
普通そうだろう…。
相当の親友までいかない限り、誰だってその相手を嫉妬し、妬み、憎むだろう。
それなのに、好き?
「えっ…と…
す、好きだよ!!
だって…えっと…そう!
あのクールな感じが!」
予想外の返事に困ったのか、慌てて言い繕うみのり。
「クールな感じが…?
ふーん。
じゃあ、なんであの時水かけたんだよ?」
あんなに水を被せた頃、憎み合ってたのに…こんなにコロリと意見を変えて刹那のことを好きだなんて…普通おかしい。
「えっと…ね。
そ、その頃は…まだ、坂下さんのことがぁ、ムカついてたけどぉ!
後からそのクールな感じにぃ、惹かれちゃったぁ!」
「じゃあ、なんで屋上に入れた?」
「なんで…て?
だって、屋上は出入り自由でしょ?」
「何言ってんの?
屋上にはちゃんと鍵がかかってる。
その鍵を使わせてくれるのは…
教員
学年3位の人
学年2位の俺。
そして、学年1位の…
刹那だけだ」
そう、遼誠が普通に屋上にいられたのは成績優秀者の特権だからだ。
「そ、そうなの?!」
「なんで、屋上に入れた?」
「えっと…そのぉ…。
あ、そうだ!
坂下さんが開けた状態で落ちてたからだよぉ!」
「ふーん」
納得したような声に安心したような顔をするみのり。
あ、そうだ!って何だよ…?
明らかに犯人は私ですって言ってるようなもんじゃねぇか…。
デートの時と違う口調…鼻にかかるような口調…。
やっぱり、悪巧み?
いや、今回の事件は悪巧みどころじゃねぇ…!
人殺しだ…!!!
遼誠は怒りがすぐにやってきた。
真相がはっきりしないからこそ、さらにもどかしく、苛立つ。
「遼誠ぇ?」
首を傾げて笑顔で遼誠の顔を覗き込むみのり。
プチンッ
ダンッ
みのりを壁に追いやって、手を壁に押さえつける。
まだクラスに居た何人かは、驚いたように2人の様子を見つめる。
みのりはそのまま押さえつけられて、呆然と遼誠を見つめる。
そして、すぐにその状況を理解して顔を赤く染めながら恥ずかしがる。
「えっ……。
ダメだよぉ。遼誠ぇ。
今、坂下さんが危ないっていうのに…
こ、こんなことやっちゃ…
でも、私のこと好きになって…くれたのぉ?」
みのりはうっとりとした顔を上げ、目をつぶった。