刹那の笑顔
しかし、周りの風景は遼誠の気分とは逆で…
冷たい風が吹き荒れていた。
嬉しそうについていく、遼誠。
心を痛ませる刹那のお母様。
「遼誠君…これからあなたは…苦しむでしょう…。
あなたに…乗り越えられるかしら?
あなたは…取り戻してくれるかしら?」
刹那のお母様が小さく呟いたその言葉は遼誠には届かなかった。
刹那のお母様の車に乗せてもらい、すぐに病院に着いた。
刹那のお母様は車の鍵を閉めて歩きだした。
その時、遼誠は気がついた。
刹那のお母様の表情が暗いことに…。
遼誠は一瞬胸騒ぎを覚えたが、すぐに振り払いついていった。
折角、刹那に会えるんだ。
そんなことを気にする必要はない!