刹那の笑顔
ぶつぶつ言う刹那を外に連れていくと、刹那は大きく息を吸い込んだ。
「うーん…!
空気がおいしーい!!
はぁ、窮屈からの開放感!」
大きく伸びをする刹那。
「なぁ、刹那……
どんなに苦しい記憶でも取り戻したい?」
真剣な顔で聞いてくる遼誠。
「当たり前よ。
だって、自分が知らないところで、コソコソされるのも嫌だもの。
それに、その記憶は本当に全てが苦しいわけじゃないと思うわ。
楽しかった記憶もあると思う。
そう信じてる」