刹那の笑顔
「やったぁ!うれしぃー!!!
よろしくねぇ!泉山君!!
あたしね、あたしね中美みのりって言うのぉ!
みのりって呼んでね!!」
「あぁ、よろしく」
眠いので不愛想に返事を返す遼誠。
すると、続々とクラスのメンバーが話しかけてくる。
「なぁ、泉山ー!
部活とか決めてんの?
良かったら、俺らのバスケ部に入らねえ?
すっげー、楽しいよ!!」
「え、それなら、サッカー部だって負けてねぇし!!
俺らのところ強いからさ!
練習少し大変だけど、やりがいあるぜ?」
「誘いありがとう。
もうちょっと違うのも見てみるよ」
「泉山君、彼女いるのー?」
「泉山君、モテるでしょう!」
「いないよ?
俺モテないし」
「「「きゃーーーーー!!!」」」
「聞いた?」
「私狙っちゃおうかな!」
「うちもうちも!」
立て続けに来る質問に苦笑いしながら返していく遼誠。
しかし、学級委員の坂下刹那だけはまるで興味がないかのように近寄って来なかった。
寂しそうにただ空を眺めていた。