刹那の笑顔
「「「きゃーーーーー!!!!!」」」
「流石!みのりちゃん!」
「そのジンクスでF組の美男美女カップル誕生だねぇ!!!」
「楽しみーーー!!!」
みのりはさぞ満足な顔をしていると、 刹那が教室に入ってきた。
それに気付いたみのりは嬉しそうな顔をして、刹那に近づく。
「ねぇ!
坂下さん。
私ね、遼誠とラブラブデートしてくるんだぁー!
し、か、も、
水族館!!
羨ましいでしょうー!」
刹那は、軽くチラリと見て興味をなくしたように読みかけだった本に目を戻す。
「別に全然羨ましくないけど…。
ってか、呑気でいいね?
もう、テスト期間なのに。
ただ、わたしと泉山君が仲良くしてたことに嫉妬してそんなこと聞いてくるんでしょ?
そういう人って、自分に自信がないからでしょう?
自分に自信がある人は、周りの目なんか気にしないものね。
大変ね…
好きな人がいると」
刹那は冷たく言うと、図星をつかれたのか、みのりは顔を赤くして俯く。
すると、取り巻きが刹那の肩を突き飛ばした。
「失礼なこと言わないでよ!
委員長と学年首位だからって、調子乗らないでくれる?」
「先生に人気があるのはあんたかもしれないけど、
この学校で一番人気があるのは、みのりちゃんなんだから!」