刹那の笑顔
みのりと遼誠
朝、遼誠は約束の場所で待っていた。
みのりが数分遅れて走ってくる。
「ごめん!
用意とかで遅れちゃった…!!」
遼誠は、ワイシャツにベストという軽い格好できたが、
みのりは、淡いピンクのフワッとしたワンピースに白いカーディガンを着てきた。
遼誠は不覚にもかわいい、と思った。
あれ、こんなかわいかったっけ?
…いや、私服だから…だ!!
落ち着け!
刹那の方がかわいい…!!
だって、パジャマが…その…
って今日の俺どうした!?
そして、やましいことを考えている自分に少し頭を抱える。
「遼誠、頭痛いの?」
「え!?あ、いや…!」
「そう?無理しないでね?
じゃあ、映画館に行こう!
遅れた分取り戻さなくちゃ!!
遼誠!!」
「あ、あぁ…」
遼誠は、自分の心を戒めながらゆっくり歩き始める。