刹那の笑顔
クラスにある程度打ち解けてきた頃、遼誠は不思議に思っていたことをみのりに聞いてみることにした。
「なぁ、
なんで坂下って、授業以外話さないんだ??」
相変わらず遼誠にお熱のみのりは話しかけてくれたことに驚き、嬉しそうに答える。
「えっ!気になる???
やめたほーがいいと思うけど…
遼誠君だから、教えてあげるね!!
坂下さんはね、なんかある特別な日以来
ずーーっと、笑わないし必要最低限の言葉しか話さなくなっちゃったんだって!
人にも冷たくなったから、友達消えたんだってぇー。
何があったんだろーねぇ?
みのりも何回か話しかけたことあるんだけど、本当に必要最低限のことしか話さないんだよねぇ」
「ふーん……」
そんな秘密がある坂下刹那に少し遼誠は興味を持ち始めた。
(坂下刹那…か、覚えとこ……)