刹那の笑顔
遼誠はそう言うとスマホを取り出して、みのりから離れた場所で電話を取る。
なぜならその電話の相手は、刹那からだったからだ。
「なんか、用?」
「どっ、どうしよう!?
助けて!!!!」
慌てた刹那の声が流れ込んでくる。
ただならぬ気配を察知した。
「どうした!?
何があった?
落ち着いて、俺に話してみろ!」
遼誠も少し慌てて聞き返す。
あんな冷静沈着な刹那が動揺するほどだから、相応に大変なことだとは薄々勘ずいていた。
「わ、わかんないよ……。
どうしよう。
家に今日誰もいなくて……」