刹那の笑顔
刹那は遼誠の胸の中で泣いていた。
しばらくの間、沈黙が続く。
刹那のすすり泣く声だけが響いている。
その間、遼誠はそっと刹那の頭を撫でていた。
すると、遼誠のスマホが鳴る。
遼誠はおもむろにスマホを取り出しすと、着信はみのりからだった。
「!」
それを見た刹那は次の瞬間、遼誠を突き飛ばしていた。
「!」
突き飛ばされた遼誠は、驚いていたが、
更に突き飛ばした刹那自身も驚いていた。
「ご、ごめんなさい!!!
そういえば!!
デート中だったのね!!!!!
邪魔してしまって本当にごめんなさい!
気が動転しすぎちゃって……!
早く中美さんのところへ戻ってあげて!!」
涙を急いで拭いて、遼誠に背を向ける刹那。