刹那の笑顔
顔は驚いているが言葉にまるで心がこもっていない
みのりの声がした。
刹那は、軽くチラリとみのりを見て、目線を元に戻す。
「え、シカトしないでよぉ?
心配してるんだよぉ?」
「ご心配ありがとうございます。」
そして、遼誠に鞄にかけていたビニールの袋の水を捨ててきて欲しいと頼んで、
遼誠を追い出した。
みのりはそれには気付かなかったのか、そのまま話を続ける。
「ふふふ、いいのよ?
みのり、優しいから心配するのは当たり前じゃない!
怪我したばっかなのに……傷口痛くないー?
みのり心配ぃー!!」
みのりは、甘ーい声で聞いてくる。
それにイラついたのか、刹那は鋭い目線でみのりを睨みつけた。