刹那の笑顔
写真が消えたのを確認すると、みのり達は、肩をなでおろし安堵の表情を浮かべる。
その途端、ふくみ笑いを始めた。
「ありがとう!
ふふふ。
なーんてね!
消してくれてありがとう。
髪の毛も乾いて、写真も消えて?
ぜーんぶ、証拠隠滅ー!!!
残ったのは、あなたの心の傷だけー!
キャハハハハハハハハ!!!!」
みのり達は、さぞ愉快だというぐらいに
大笑いしていた。
そのみのり達の変わりようにゾッとするクラスメイトと遼誠。
「おま、みのりが刹那にこんな風にしたのか!?」
「お前だなんてひどーい!
遼誠!
だって、昨日私のデート邪魔したんだもん!
それぐらいやったって、いいじゃん!
私、あのあとどれだけ泣いたと思う?
すっごい悲しかったよ?
自分の大事な誕生日の日、約束をすっぽかされたのよ?
家族のことならまだしも…
赤の他人の為に人の約束を破るんだもの」
いい気味という顔で、刹那を見る。
刹那は平然とみのり達を見つめ返す。
悔しがる様子もなく。