刹那の笑顔
刹那はその様子をゆっくりと見てから、口を開く。
「そうよね。
さぞかし、号泣だったんでしょう。
だって、目の周りパンパンに腫れてる。
真っ赤!
ちゃんと鏡見てきたの?
それとも、これも作戦?
どっちでもいいんだけどさ?
なに、のんきに笑ってんの?
心の傷?
あんたに、わたしの本当の心の傷なんか分かるはずないじゃない!
さっきみたいなことで、心の傷なんか出来るわけないし。
それに、バッカみたい。
わたしが本当に消したと思ってんの?」
その言葉に、みのり達が固まった。
顔を引きつらせたまま。
「えっ……」
刹那がスマホをいじり、またみのり達に見せる。
今度は、遼誠もしっかり見てしまった。