刹那の笑顔
刹那は身をひるがえして教室を後にする。
遼誠は急いで刹那を追いかける。
「おいっ!
刹那!
送ったって、本気かよ!?」
すると、刹那は呆れたように言った。
「はぁ?
あなたまで信じてんの?
送るわけないでしょう?
後々、面倒くさいし……
あいつらを黙らせたかっただけ。
言いたくないけど、そんなことしなくても、わたしの家の権力で学校1つなんて、簡単に潰せるから。
くだらなくて、つまらないことのためにいちいち、家の権力なんか動かしてたらお父様達が疲れるじゃない。
大体、そういうこと言っておけば黙るんだよね。
だって、退学なんてたまったもんじゃないでしょ?
それよりも、早く中美さんのこと慰めてあげれば?」
刹那は軽くため息をついて、消えた。