刹那の笑顔
深く悩んでいるように見える刹那を、遼誠は心配して顔を覗き込んだ。
「大丈夫?
具合悪いなら…
仕方ないけど、帰る?」
「あ!
全然、平気!
ちょっと考え事…」
「そっか!
よかった…
でもさ、今日だけは俺だけ考えてくれねぇかな?
せっかくのさ、その…2人きりっていうかさ…そんなのだからさ」
「え……あ…。
わ、わかった!
ゴメンね…。」
刹那は申し訳なさそうな顔をして、遼誠を見る。
遼誠は顔を見つめられて少しだけ顔を赤らめて、今の幸せを噛み締める。
そして、ゆっくりと刹那の手を握り返したのだった。