僕らの恋に永遠の名を。
どうしよう。
私と智兄はただの幼なじみなのに…。
とにかく、もう教室に戻らなきゃ。
扉を開けて、廊下に出……
「っきゃ!?」
目の前にさっき出ていったはずの二階堂先輩が。
「ど、どうしたんですか…?」
!?
「せんぱ…い?」
なぜか、先輩が私の頭を撫でている。
心なしか、虚ろな目で。
「あず…、一段と、可愛くなったな」
どくんっ。
一瞬にして鼓動が早くなる。
「…っ」
なぜだかは、自分でもわからない。
ただ、妙な既視感を感じる。
「…なに…先輩…こわい…です」
「逃げないで、あず…」
意味がわからない。
だいたい、先輩は私のことを"あず"だなんて、呼ばない。
私のことをそんな風に呼ぶのは…
「いっ…」
「先輩!?」
先輩は頭を抱え、いきなり膝から崩れ落ちた。
なに…?なにが起きてるの…?
先輩、どうしちゃったの?
「…葉月…、俺の右目、青くない?」
パッと顔をあげた先輩の右目、私から見て左目が、青く透き通った瞳になっていた。
「青い…」
「やっぱり…」
さっきからなにがなんだかわからない。
どうして?こんな瞳に…
さっきまで、確かに普通だったのに…。
「帰る。じゃあなっ!」
「へっ…」
先輩はすっと立ち上がり昇降口へ駆けていってしまった。