僕らの恋に永遠の名を。
「おい、葉月、俺を見るなりドアを閉めるってなんだよ」
がちゃんっ、がしゃっ!
「…?」
なんか中でゴタゴタしてる。
なんだ?
しーん、と静まり返って少ししたとき、さっきよりも控えめにドアが開いた。
「…先輩?どうしたんですか?」
『あずーっ』
「うわぁぁ」
ぎゅっ。
「きゃぁぁあぁぁっ!!?」
静かな朝のアパートに葉月の声がこだまする。
俺はとっさに葉月ん家のドアをひき、葉月とともに中に入った。
今の状況を説明すると。
柊也が、あずーっといった瞬間、俺の体を使って
葉月に抱きついた。
まぁ、絶叫するのも無理はな…いだろ。
かといって騒がれると俺が襲ってるみたいだし。
「せ…っ」
「ん?」
下から微かに声が聞こえたから見ると、俺の腕のなかで顔を真っ赤にさせている葉月の姿。
…俺の腕のなか?
「わりっ、葉月っ」
ぱっ、と葉月を解放する。
「だだだいぃ、じょ…」
『あずをいじめんなよ』
お前のせいだろが。
頭のなかで突っ込みつつ、あることに気づく。
「葉月、母ちゃんは?」
「か、会社です…」
「早いんだな」
じゃあ、話をするのに都合がいいかもしれない。
「話があるんだ、葉月」