僕らの恋に永遠の名を。
再会
「…、じゃあ、その、そこの椅子に…」
ど、どういうことなんだろう。
玄関開けたら、先輩がいて…。
なんで、私の家のなかにいるんだっけ?
思考はまとまらないのに、行動だけはしっかりしてる。
そもそもなんで私の家の場所がわかったのかな。
まだ寝起きの頭をフル回転させる。
…って、わかるわけないよ。
先輩の話をとにかく聞こう、時間はまだあるみたいだし。
「なにから話したらいっかな…」
知り合って1日の私になんの話を…。
「柊也って、覚えてるか?」
「…え?」
どくんっ。と、はねる心臓。
心の奥にしまっていた、あの気持ちが。
目覚めてしまう。
「なんで…その名前を…」
二人になんの共通点が?
心臓の鼓動は速くなるばかりで、静かにしようとしない。
「やっぱりお前なのか…。いいか、葉月、よく聞けよ?」
「…」
先輩の真剣な眼差しに堪えきれなくて、自分で握り合わせていた手に力が入る。
「柊也の魂は、今もここで生きてるんだ」
「…先輩、冗談は…」
「嘘じゃねぇ、俺の目を見ろ」
冗談を言ってるようには見えない。
だけど。
おかしな言い方だけど、本気で嘘を言っているように聞こえる。
「どういうこと、ですか?なんで、柊ちゃんを…」
「…うまく言えないけどな。まず、目を瞑れ」
「…?」
もうなにがなんだかわからない…。
とかいいつつ、素直に目を閉じる。