僕らの恋に永遠の名を。
~第3章~ 大切な人だからこそ
遊園地 柊也:side
土曜日。
「梓ー!」
駅前で待ち合わせた僕らは、これから遊園地へ出掛ける。
正直、人混みはちょっと苦手なんだけど、あずが楽しんでくれそうだから選んだ。
ユズリが手を振ると、あずがこっちに近づいてきた。
「おはようございます、先輩。それに、柊ちゃんも」
ニコニコと笑うあずは、今日もとっても可愛い。
昔から、あずのことが大好きだった。
あの事故がなければ、今頃僕は、あずのとなりにいたんだ。
今でも覚えてる。
あの、無駄に装飾を付けた大型トラック。
まるで吸い寄せられるように、僕に近づいたトラックは、そのまま信号待ちしてた僕を轢いた。
あの運転手は捕まったのだろうか。
『おい、柊也』
ユズリに呼び掛けられたその声で、ハッと我にかえる。
『なぁに?』
『梓と手ぇつなぐか?』
手繋いだら、僕の考えてること伝わっちゃうよね。
『まだいい。考え事してるんだ』
『そーかよ』
このユズリって人は、冷たいけど、いい人だと思う。
なんたって、あずを助けてくれたからね。
今日は、あずを、楽しませてもらわなきゃ。