僕らの恋に永遠の名を。
コンビニ
『これからもずっと一緒にいような、あずっ!』
ピピピッピピピッ…-
「ん…」
夢か…。
久しぶりに見たな、柊ちゃんの夢。
今頃、なにしてるんだろう。
寝起きの重たい身体を起こして、クローゼットに掛けてある制服に腕を通す。
杉ノ宮高校に通う2年生。
葉月梓。
地味めの普通の女子高生。(だと思う…)
今日も、いつも通り。
着替え終わって、一階に下りていくと、
テーブルの上に紙が置いてあるのが見えた。
『朝ごはんちゃんと食べてね!』
なんていう、お母さんからのメッセージ。
お父さんが3年前に他界し、お母さんが朝から晩まで働いてくれている。
お母さんには感謝してる。
だけど。
いつも独りは、寂しいよ…。
「いらっしゃいませー」
コンビニの中に入るとあんまんの甘い匂いがした。
今日から始まったのかな?
もうそんな季節か。
毎朝、朝食用のメロンパンと昼食のパンを
このコンビニで買っていく。
……!
メロンパンないし!
私の唯一の楽しみが…。
「あら、梓ちゃんおはよう」
「あ、おはようございます」
今声をかけてきたのは、このコンビニの店長だと言う、女の人。名前は、ゆかりさん。
優しそうな目と、笑顔が特徴的。
「メロンパン、まだ来てないのよ。
ごめんね」