僕らの恋に永遠の名を。
夢の終わり
「あ、これおいしい!」
私たちはチュロスを片手に、観覧車に向かっていた。
「いや、おかしいだろお前の味覚」
冷めた表情でこちらを見る柚里先輩。
「おいしいですよ?激辛みかん」
「いや、もう名前が怪しすぎじゃね?なに、激辛みかんって、意味わかんねぇよ」
さっき買ってもらったこの激辛みかん味のチュロス。
なぜだかすごい惹かれたから頼んでみた。
「おいしいのに…」
「それはない」
そろそろ辺りも暗くなってきた。
冬は日が短いから、なおさら。
最後に観覧車にのって帰ろう、ってことになったんだけど…。
「俺、高いの無理かも」
「え、先輩…」
並んでからそんなこと言わないで!
「いや、乗るけどな」
その言葉に、ほっとしたとき、順番が回ってきた。