僕らの恋に永遠の名を。
「わぁ、きれい…」
目下に見えるのは、イルミネーションで輝く街。
クリスマスが近いこと、忘れてたな。
「梓、ちょっとこっち来いよ」
対面のイスに座った先輩が真面目な顔で言う。
「?」
立ち上がると、かた、っと少し傾く。
「あんま揺らすなよ…」
先輩が怖がってる。
可愛いとか、思っちゃう。
「なんですか?」
「肩かして」
言うが早いか、先輩は隣の私の肩に頭を乗せた。
どきっと一瞬にして鼓動が早まる。
「………やっぱこぇー……」
呟いた先輩のひとこと。
思わずくすっと笑ってしまった。
「おい、今笑っただろ」
「笑ってません」
「…」
先輩は頭を上げると、私を睨んでくる。
「笑ってませんってば」
「じゃぁ仕方ねぇな」
なんのことだろう?
先輩は、少し身を乗り出すと、
私にキスをした。
すぐに唇は離れていき、そのまま私の耳まで来る。
「好きだ」
「!?!?」
驚いて先輩の顔を見ようとすると、手でぐいっと
反対を向かされる。
「こっち見んな」
私の心の中は、色んな感情がうずまいた。
だけどそのなかで、口から出たのは、
「嬉しいです…」
だった。