僕らの恋に永遠の名を。
~第4章~ 忘れないで
無機質なドア
この扉を開けたら、先輩がいる。
会いたいけど、会いたくない。
だって…。
「あ、梓ちゃん!来てくれてたのね」
病室の前で躊躇っていた私に声をかけてきたのは、ゆかりさんだった。
「ゆかりさん…っ」
思わず抱きついたら、涙がどっと溢れてきた。
「わたし…、私のせいで……っ」
「大丈夫よ。アイツ、体だけは丈夫だから」
そう言って、ゆかりさんが私の頭を撫でてくれる。
私が、先輩にこんなことにしたのに。
優しすぎる。
「まぁ、とりあえず、ユズの顔見てって」
「…はい、」
正直、すごく怖い。
今の先輩が、どんな状態なのか、想像もつかないから。
よくある病院もののドラマも、いつも人が死んでしまうのが怖くて、あんまり見たことがない。
横にスライドして開くドアを、動かして、中に入ると、ピッ…ピッ…という音が部屋いっぱいに響いていた。
「先輩…」