僕らの恋に永遠の名を。
「あー、もうこんな時間!ほらっ、ゆずっ、早く制服着替えなさい!」
「わーってるよ、叩くなっ」
ゆかりさんに押され、店の奥に消える先輩。
「梓ちゃん、ごめんごめん。
あんまん、120円ね」
「あ、はい」
やっと私の手元に来たあんまん。
あっつい…。
「あ、ちょっと待ってね?」
「ん、はい?」
そういうと、ゆかりさんは、先輩が消えたドアの向こうに入った。
はむ、と一口食べる。
あったかい。
(もぐもぐ…)
そして……、
「へー、ホントに母ちゃんの友達なんだ」
「え、と……はい…」
なんでこうなったの!
私は今、先輩とふたりきりで、通学路を歩いています。
コンビニから、ふたりです。
あのあと、ゆかりさんが
『仲良くふたりで行きなさいな。せっかくの出会いだし♪』
とか、なんとか言って、私たち二人を送り出した。
自己紹介も一応した。
けど…、こんなイケメンと私が歩いちゃいけないよね?!
ちらっと、私の倍の身長の先輩の顔を見る。
横顔でも、すごくカッコいい。
小さな赤いハートのダイヤがついた、オシャレなピアス。
髪形も…
「なに?」
「…!!」
きゃあぁ……。
ごめんなさい…。
「な、なんでもないです…」