僕らの恋に永遠の名を。

「ん、そか」
ポケットに突っ込んでた手をだして、口元に寄せて、ふぁ、と欠伸。

そろそろ、杉高の人たちの視線が…。

二階堂先輩と歩いてたら、目立っちゃうよ…。
と、そのとき、

「ゆっずー!!」

そう叫んで先輩の背中に飛び付いた誰か。

「いだだっ、ぐび絞めんな」
「おはようユズ、愛ちゃんだよ~!!」
「知ってるゎ」

そう言って、飛び付いた女の子をぺしっと叩いた。
「あいたっ」

…すごい仲いい。
付き合ってたり、するのかな。

「この子誰?」
愛、という人が、二階堂先輩に抱きついたまま
私を見てそう言った。

「ん?あぁ、なんか、母ちゃんの友達」
「名前は?見ない顔ね」
「え、あの、は、葉月梓です。2年です…」

「へぇー、なんでユズと歩いてんの?」
愛先輩?は、私を明らかに敵視していた。

目が怖い。
「えっと…、その…」
どう説明すればいいんだろう。

「おいおい、後輩いじめんなよ」
「いじめてないしーっ!」
「さっき言ったろー、母ちゃんの友達で、なんか一緒に行けって言われただけ」

「ふぅん…」
鋭い視線がささる。
私は下を向いていた。

「てか、なにー?ユズのマミーと友達とか。
あたしも会いたい」
「マミーってなんだよ」
「ママだよー?」

私…、邪魔だよね?
二人が盛り上がってるなか、私はそっと離れて
学校へと走った。
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